理事長挨拶

 谷病院がこの地に開院して95年以上の月日が流れました。
 その間には1945年の第二次世界大戦のグンゼ空爆があり、収容しきれない程の怪我を負った多くの方が運び込まれたと聞いております。
 私自身は1986年8月6日、2019年10月12日の二度の大水害を経験しました、二度目の水害は想像を絶するもので心が折れそうになりましたが、多くの方々に協力をいただき、一年余りで復興することができました。長きに渡って医業を継続できているのは地域の皆様からの支え、並びにその時々の職員の努力に他ならないと感謝しております。

 病院に求められる機能は年々変化しています。現在の谷病院は一部の急性期医療と高齢者を中心とした慢性期医療が主な役割だと考えています。病院の一般病床の一部を2000年に医療型療養病床、2020年に地域包括ケア病床に変更しました。その理由の一つは地域の患者さん、とくに高齢者の方々が疾患の治療やその後の生活に困らないためです。また、当法人には訪問看護や居宅事業、関連施設があり、各部門が連携をとることで高齢者の介護や生活支援の手助けができると考えます。

 1989年に病院併設型の介護老人保健施設「明生苑」、2007年に関連施設として特別養護老人ホーム「陽だまりの里」(すべて個室)を大玉村に開設しています。高齢者のデイサービスや入所生活を通して健康維持に貢献できるものと考えています。また、各施設で体調を崩した方は谷病院と相談し治療を行うなど相互連携を図っています。
 医療や介護においては「ホスピタリティの心」があって初めて技術が人間の身体に活かされるものです。私たちは地域の皆様の健康を守るため優しさと向上心を忘れずに歩み続けます。超高齢化社会の中、地域の皆様が安心して過ごしていけるよう努力を続けて参ります。